30周年を迎えた「東京ゲームショウ2026」(主催:一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会=CESA、幕張メッセ)が、台風25号の接近という異例の事態を挟みながら閉幕した。本来9月17日から21日までの5日間開催予定だったが、台風の影響で最終日となる9月21日の一般公開日が中止となり、実質4日間の開催となった。CESAが発表した4日間の総来場者数は25万7642人。前年をわずかに下回る水準だが、初日(9/17)だけで見ると5万3630人と前年の初日を上回っていたことから、台風による中止がなければ前年超えの可能性もあったとみられる。
商談件数は過去最多3,673件
一方で、注目すべき数字がもう一つある。出展社・団体数1,138に対し、ビジネスデイで成立した商談件数は3,673件と過去最多を記録した。来場者数という「規模」の指標が台風で頭打ちになった一方、企業同士のビジネスマッチングという「実需」の指標は伸び続けているという、対照的な結果になった格好だ。開催初日の基調講演では、CESA会長でもある辻本春弘氏が「TGS30年の軌跡を通し、日本ゲーム産業の行く末を考える」というテーマで登壇し、業界の歩みと今後を語った。CESAは併せて、次回「東京ゲームショウ2027」を2027年9月16日から20日の日程で開催することも発表している。
業界の実需を読み解く
この結果を、ゲーム業界への転職・就職を考える視点からどう読むべきか。まず押さえておきたいのは、来場者数の微減は台風という不可抗力によるものであり、業界の勢いそのものが弱まったと即断するのは早計だという点だ。むしろ、商談件数が過去最多になったという事実は、企業同士のビジネス機会という「中身」が濃くなっていることを示している。展示会が単なる新作発表の場から、事業提携や採用を含むビジネスマッチングの場としての性格を強めているという指摘(gamebiz.jp等)は、就職・転職市場にも間接的に影響してくる可能性がある。企業間の商談が活発化するということは、新規事業や協業プロジェクトが生まれやすくなるということでもあり、結果として新しい採用ニーズにつながるケースも考えられるからだ。
数字を見るときの注意点
もっとも、これはあくまで「可能性」の話であり、商談件数の増加が具体的にどの企業のどの職種の採用増につながったのかは、個別の企業発表を追う必要がある。TGSの規模感だけを見て「業界全体が絶好調」と単純化するのではなく、来場者数・商談件数・出展社数といった複数の指標を組み合わせて、業界の実態を多角的に見る視点を持ちたい。
転職・キャリアの視点から見るTGS2026
Hiraku agentへの転職相談の現場でも、TGSのビジネスデイでブースを訪れた転職希望者からの相談が、開催後の1〜2週間で増える傾向があるという(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。今年は商談件数が過去最多だったこともあり、企業側の採用ブースの熱量も高かったという声も複数の企業担当者から聞かれているという。TGSという年に一度の大型イベントの結果を、単なる「お祭りの数字」としてではなく、業界の需要動向を読むための一つの手がかりとして活用してみてほしい。

コメント