EA、BioWareを閉鎖――31年の歴史に幕、新作『Mass Effect』も開発中止

EA、BioWareを閉鎖――31年の歴史に幕、新作『Mass Effect』も開発中止

EAは2026年10月21日、Chief Operating OfficerのDavid Tinson氏とChief Studios OfficerのCam Weber氏が従業員向けに送ったメールで、BioWareスタジオの閉鎖と、全社で約400人(EA全従業員の約3%)に及ぶ人員削減を発表した。このうちBioWareでは約50人が対象となる。BioWare自身も公式X(旧Twitter)で閉鎖を発表し、「このように書くことは簡単なことではない」「(BioWareが)生み出してきたものを称え、記憶に留めたい」とコメントした。

開発中だった新作『Mass Effect』(2007年の初代から続くシリーズの5作目にあたり、現時点では前期開発段階だったとされる)も、この閉鎖にともない開発中止となった。1995年にカナダ・エドモントンで設立されたBioWareは、2007年にEAに買収されて以降、『Baldur’s Gate』『Star Wars: Knights of the Old Republic』『Mass Effect』『Dragon Age』シリーズ等、数々の高評価RPGを手がけてきた。31年の歴史に幕を下ろすことになる。

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買収・非公開化から2か月、最初の大規模再編

今回の削減は、EAが2026年8月にサウジアラビアの政府系ファンドPublic Investment Fund・Silver Lake・Affinity Partners(Jared Kushner氏が運営)主導の550億ドル規模のレバレッジド・バイアウトにより非公開化した後、最初の大規模な事業再編となる。この買収により約180億ドルの負債が新たに生じており、EAは投資家に対し、年間最大7億ドル規模のコスト削減(研究開発費の圧縮等を含む)を実行する方針を示していた。TinsonとWeberの両氏はメールで「ここ数か月、事業を厳しく見直してきた」「プレイヤーにとって最良の機会と、長期的な成長に向けて、人材と投資の配分を意図的に選択している」と説明している。

Simsの新作中止、skate.縮小――ポートフォリオ全体の見直し

BioWare閉鎖と同時に、The Simsシリーズの新作として開発されていた「Project Lotus」が中止され、別プロジェクト「Project Evergreen」が優先されることになった。スケートボードゲーム『skate.』は開発チームの一部リソースが削減されつつも開発継続、RespawnとDICEは共同で新規プロジェクト(Star Wars Battlefront系の新作と報じられている)に取り組むとされる。一方、Apex Legends・Battlefield・次回作のStar Wars Jediタイトル・Marvel原作のIronManタイトル等には継続投資する方針が示されており、EAが手がけるプロジェクト全体の優先順位が大きく見直されたことがうかがえる。

業績不振が重なっていた近年のBioWare

BioWareは『Mass Effect: Andromeda』(2017年)が期待を下回る評価となり、2019年のマルチプレイヤー作品『Anthem』は単独ストーリー重視という同スタジオの強みから離れた作風となったものの、長く続くファン層を獲得できなかった。直近の『Dragon Age: The Veilguard』(2024年)も、ライブサービス型からシングルプレイヤー向けに作り直された経緯があり、販売面では多くのファンの期待に応えられなかったと報じられている。こうした一連の不振が、今回の閉鎖判断の背景の一つになっているとみられる。

Hiraku agentの現場から見えること

Hiraku agentへの転職相談の現場でも、30年を超える歴史を持つ名門スタジオが閉鎖されるというニュースは、「ブランド力・実績のあるスタジオだから安心」という思い込みを崩すものとして受け止められることが多いという(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。【仮データ・テスト用(実際のHiraku担当者からの回答ではない)】買収・非公開化後の最初の大規模再編というタイミングで閉鎖が発表されたことに注目し、「自分の会社も非公開化・買収された後が心配」という相談が増える傾向がある、とのことだ。買収・M&Aのニュースに接した際は、完了のタイミングだけでなく、その後数か月の事業再編の動きにも注意を向ける視点が役に立ちそうだ。

まとめ:名門スタジオでも無縁ではない非公開化後の再編

31年の歴史を持ち、数々の名作RPGを手がけてきたBioWareの閉鎖は、ブランド力や実績の大きさが、事業再編の対象から外れることを保証するものではないという現実を改めて示している。EAの非公開化後の事業再編はまだ続く可能性があり、Simsやその他のプロジェクトの優先順位見直しも含め、今後の動向を注視したい。

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この記事を書いた人

ゲーム業界のキャリア・転職・業界動向を発信するHiraku GameTimes編集部です。

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