生成AIで「需要が減る仕事」と「需要が増す仕事」――ゲーム業界の採用調査が示す明暗

生成AIで「需要が減る仕事」と「需要が増す仕事」――ゲーム業界の採用調査が示す明暗

EAによるBioWare閉鎖(約400人規模の人員削減)や、Xboxでさらに3回のレイオフが計画されているとの報道など、海外ではスタジオの統合・人員削減のニュースが続いている。こうした大規模な再編とは別に、日本国内では、ゲーム業界に特化した人材紹介会社Hiraku agentが2026年9月16日に公表した調査が、生成AIによってどの職種の需要が減り、どの職種の需要が増しているのかを具体的に示している。この調査結果は、AUTOMATON WESTが2026年9月17日付の記事で報じた。

調査は、ゲーム業界の採用担当者1,008人を対象に実施されたもので、生成AIの普及が採用現場に与える影響について、具体的な職種単位でのデータを提供している点が特徴だ。

目次

需要が減っている仕事:背景・小物アートからテスト職まで

調査によれば、生成AIの普及により採用担当者が「求人が減っている」と感じている職種として、背景・小物アート等の単純作業に近いアート職が44.6%、アシスタントレベルのプログラマーが37.2%、テスト・デバッグ担当者が28.8%という結果が示された。Hiraku agentは、ルールに従って進められる定型的な作業の需要が低下しており、こうした仕事は従来、若手や経験の浅いクリエイターの入口になっていたことが多いため、業界への入口そのものが狭まる可能性があると指摘している。

需要が増している仕事:AIを「使いこなす」側の人材

一方で、需要が増していると見られる職種としては、生成AIの出力を修正・ディレクションできる上級アートディレクターが45.9%、AIを開発パイプラインに統合できるAIエンジニア・テクニカルアーティストが44.1%、AIツールを使って成果物を素早く生み出せるクリエイターが34.6%という結果だった。単純作業を代替される側ではなく、AIを使いこなし、方向性を示す側の人材に需要が集まっている構図が見える。

海外の大規模再編と、国内の「見えにくい変化」の違い

BioWareの閉鎖やXboxの一連のレイオフは、スタジオ単位での大規模な人員削減として明確にニュースになる。一方、今回の調査が示すのは、こうした大きな再編とは別の次元で、生成AIの普及が職種単位の需要構造を静かに変化させているという実態だ。CESAの2026年調査では、日本のゲーム開発者の85%超が生成AIを活用していると報告されており(前年は51%)、この急速な普及の裏側で、どの職種が得をし、どの職種が苦しい立場に置かれているのかという構図が、今回の調査で可視化されたといえる。

Hiraku agentの現場から見えること

Hiraku agentへの転職相談の現場では、特にエントリーレベルの職種を目指す相談者から、「経験を積む前に、その仕事自体がAIに代替されてしまうのではないか」という不安を聞くことが増えているという(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。【仮データ・テスト用(実際のHiraku担当者からの回答ではない)】一方で、AIツールを使いこなす経験を早いうちから積んでいる若手人材については、むしろ採用側からの評価が高まっている実感もあるとのことだ。

まとめ:代替されるか、使いこなすか

生成AIの普及は、ゲーム業界の職種ごとの需要構造を確実に変えつつある。海外の大規模なスタジオ再編のニュースに注目が集まりやすいが、国内でも、職種単位での「静かな変化」が進んでいることを、今回の調査データは具体的に示している。これからキャリアを積む人にとっては、AIに代替されやすい定型作業だけに依存せず、AIを使いこなす側のスキルをどう身につけるかが、重要な分岐点になりそうだ。

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この記事を書いた人

ゲーム業界のキャリア・転職・業界動向を発信するHiraku GameTimes編集部です。

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