韓国ゲーム業界、労使交渉の争点が「再編・AI導入」へ拡大――日本への示唆

韓国ゲーム業界、労使交渉の争点が「再編・AI導入」へ拡大――日本への示唆

2026年10月13日付の報道によると、韓国のゲーム業界では、労使交渉の争点が従来の賃金・成果給中心から、組織再編やAI導入をめぐる雇用安定の問題へと広がりを見せている。直近の事例として、オンラインゲーム大手Wemadeで2026年9月30日に労働組合が発足した。この労組は、大株主変更に伴う構造調整・整理解雇への反対、成果給制度の改善、主要事業の方向転換前の事前協議などを会社側に求めている。背景には、創業者が保有株の一部を投資会社へ売却する契約を結び、買収側の投資家コンソーシアムが取引完了後に筆頭株主となる計画があるとされる。

こうした動きは今回が初めてではない。過去にはNexonやSmilegateでも労働組合が発足し、長時間労働や包括的な賃金制度に加え、プロジェクトの中断や組織再編に伴う雇用不安が早くから課題として指摘されていた。Neopleでは、ヒット作の収益をめぐる成果給・収益配分の対立から、業界初とされるストライキが行われ、約5か月後に賃金・団体協約の妥結で収束した例もある。NCでは、一部部門を別法人として分社化する過程で、労組が雇用安定と、将来その会社が廃業・売却された場合の雇用保障を求めて集会を開いたケースも報じられている。

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AI導入をめぐる不安を示す調査データ

こうした流れの中で注目したいのが、AI導入に関する調査データだ。2026年4月に実施された、韓国のゲーム業界従事者1,078人を対象にした調査では、77.3%が「AI導入による雇用不安を感じる」と回答し、82.3%が「AI導入に伴う収益配分のガイドラインが必要」だと回答した。一方で、企業と労働組合の間で公式な議論が行われていると答えた人は26.7%にとどまっている。つまり、現場の不安は高い一方で、それについて会社側と正式に話し合う場は、まだ十分に整っていないという状況が浮かび上がる。

労組側が求めているのは「AI反対」ではない

ここで注意しておきたいのは、労組側の要求が「AI導入そのものへの反対」ではないという点だ。報道によれば、労組はAI導入自体には反対せず、雇用の安定、創作者の権利、評価・成果配分の基準を一体で議論するよう求めている。つまり、AIを使うこと自体ではなく、「AIを使った結果、誰の仕事や収益がどう変わるのかを、事前にルール化してほしい」という交渉の論点を提示している形だ。これは、AI導入を一方的に拒否するのでも、無条件に受け入れるのでもない、第三の立場と言える。

Hiraku agentの現場から見えること

Hiraku agentへの転職相談の現場では、日本では労働組合を通じた交渉という形は海外ほど一般的ではないが、「AIが自分の仕事を奪うのではないか」という不安そのものは、国内の相談者からも同様に聞かれるという(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。海外の事例は、不安を抱くだけでなく、どのような条件・ルールを会社に求めればよいのかという「交渉の論点」を整理する上で参考になる面があると感じている、とのことだ。日本と韓国で労働組合文化や法制度は異なるため、そのまま当てはめることはできないが、「AI導入に伴う評価・収益配分のルールを事前に確認する」という視点自体は、国や制度を問わず参考にできそうだ。

まとめ:争点の広がりから自分のキャリアを考える

韓国ゲーム業界の労使交渉が、賃金から組織再編・AI導入へと争点を広げているという今回の動向は、日本のゲーム業界で働く人にとっても無関係な話ではない。労働組合の有無にかかわらず、「AIが導入されたとき、自分の評価・収益配分がどう変わるのか」を会社に確認する視点を持っておくことは、国や制度を超えて役立つキャリアの守り方の一つになりそうだ。

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この記事を書いた人

ゲーム業界のキャリア・転職・業界動向を発信するHiraku GameTimes編集部です。

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