西側レイオフ、日本は逆張り採用|カプコンの新卒100名/年計画から考える業界の分断

「ゲーム業界はレイオフばかりで大変らしい」——そんな印象を持っている人は少なくないだろう。実際、2026年7月にはMicrosoftが世界で約4,800人を解雇し、その中でもXbox部門は従業員の20%にあたる約3,200人規模という過去最大級の人員削減に踏み切り、4つのスタジオを手放すという大規模な再編を行った。この規模のレイオフが海外で相次いでいることは事実であり、業界全体に暗い影を落としているように見える。

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対照的な日本の採用動向――カプコンの積極採用

しかし、同じ時期の日本に目を向けると、まったく異なる景色がある。カプコンは2026年7月の株主総会の質疑応答で、「年間1億本販売」という目標に向けて開発人員・開発環境の拡充を進める方針を示し、毎年100名規模の積極採用を続ける考えを明言した。実際、同社の決算説明資料によれば、2026年3月末時点の連結従業員数(正社員)は前年同期比210名増の3,976名に達しており、単なる掛け声ではなく実数としての増員が進んでいることがわかる。

なぜこれほど対照的な動きが同時に起きているのか

同じ「ゲーム業界」という括りの中で、なぜこれほど対照的な動きが同時に起きているのか。一つの見方は、レイオフの震源地が特定の事業構造に偏っているという点だ。Xboxの大規模削減は、大型買収後の組織統合やライブサービス型タイトルへの依存、管理階層の削減といった、グローバル規模の巨大コングロマリットに特有の事情が絡んでいると報じられている。一方、カプコンのような日本の大手パブリッシャーは、自社IPを中心とした開発体制を長期的に積み上げており、短期的な業績変動に対して雇用を大きく調整するという経営スタイルを取っていない。これは「日本の方が優れている」という単純な話ではなく、事業構造・資本構成の違いが、雇用の増減という形で表面化しているという理解の方が実態に近いだろう。

転職を考える人にとっての意味

この分断は、転職を考える人にとってどんな意味を持つのか。Hiraku agentへの転職相談の現場感覚によれば、カプコンのような積極採用の報道が出た直後の1〜2週間は、問い合わせがやや増える傾向があるという(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。海外のレイオフ報道と対比して「国内は安定している」という安心材料として語られることもあるようだが、実際に転職を決める理由としては、そうした業界全体の空気感よりも、給与水準やキャリアパスの具体性の方が優先されるというのが現場の実感のようだ。

個別の企業の採用計画を見ることの重要性

つまり、「日本は安全、海外は危険」という単純化した図式で一喜一憂するのではなく、個別の企業がどのような採用計画を持ち、どのような開発体制でIPを育てているかを見ることが、結局は一番確実な判断材料になる。カプコンの積極採用方針は、日本のゲーム会社全体が同じように安泰であることを保証するものではない。ただ、世界的なレイオフの波の中でも、独自路線を貫いて雇用を拡大している会社が存在するという事実は、業界の中でのキャリアの選び方を考える上で、一つの重要な参考情報になるはずだ。

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この記事を書いた人

ゲーム業界のキャリア・転職・業界動向を発信するHiraku GameTimes編集部です。

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