新作開発中止、理由の一つは「AI」――打越鋼太郎氏、新スタジオ「CRASH KEYS」設立

新作開発中止、理由の一つは「AI」――打越鋼太郎氏、新スタジオ「CRASH KEYS」設立

『Ever17 -the out of infinity-』や「極限脱出」シリーズ、『AI:ソムニウムファイル』シリーズなどの生みの親として知られる脚本家・ディレクターの打越鋼太郎氏が、2026年10月15日、自身のX(旧Twitter)で、約1年半にわたって開発を進めていた新作ゲームの開発中止を報告した。同時に、自身の新スタジオ「CRASH KEYS」の設立も発表している。

目次

開発中止の理由に挙げた「AI活用」の難しさ

打越氏は、開発中止の理由の一つとしてAI(人工知能)を挙げた。中規模のゲーム制作者はコスト削減を迫られる状況にあり、もしAIを活用できれば、面倒な作業を任せてスタッフ数を維持したまま制作期間を短縮できた可能性があったという。しかし現在の業界の風潮では「ゲーム作りにAIを使うことはご法度とされていますよね」と述べ、AIを使わない前提で開発を続ける以上「負け戦は必至」だったと振り返っている。さらに、AIが活用されないことによって、むしろ制作者自身が職を失う可能性にも言及した。

浮き彫りになった業界のジレンマ

この発言は、ゲーム制作の現場で広がりつつある、AI活用をめぐる難しいジレンマを浮き彫りにしている。AIを使えば効率化・コスト削減につながる一方、「AIを使ったゲーム作り」への業界内外の視線は依然厳しく、使うこと自体がリスクになりかねない。打越氏のケースは、この板挟みの状況が、実際に一つのプロジェクトの存続を左右しうることを示した事例といえる。

Tookyo Gamesとの関係、小高和剛氏の反応

打越氏は現在も、自身が以前所属していたTookyo Games(代表:小高和剛氏)に籍を置いており、小高氏と仲違いしたわけではないことも説明した。小高氏も打越氏の発信に反応し、支援する意向を示すとともに、ファンにも応援を呼びかけている。長年のパートナーからのこうした公的な後押しは、業界内の人間関係が決して悪化したわけではないことを示す、重要な補足情報だ。

新スタジオ「CRASH KEYS」設立の詳細

新スタジオ「CRASH KEYS」は、打越氏自身の開発スタジオとして2025年に設立されていたが、本来は2027年に新作と合わせて発表する予定だったという。今回、プロジェクトの中止を受けて前倒しで公表された形だ。公式サイト(crashkeys.com)ではロゴとキャッチコピーが公開されており、今後のプロジェクトは準備が整い次第発表するとしている。また、新たな仕事の依頼や、プロジェクトへの出資パートナーも募集しているという。

キャリアの視点で見ると

打越氏のように実績のあるクリエイターであっても、プロジェクトの中止や契約終了は避けられないリスクである。今回の一件は、そうした状況に直面したときに、既存の所属先との関係を保ちながら、自身の名前とこれまでの実績を生かして新たな活動の場を立ち上げるという、一つのキャリアの選択肢を示すものでもある。ゲーム業界でフリーランスや独立を考えている人にとって、実績の発信方法や支援者・出資者とのつながり方を考えるうえで、参考になる事例といえるだろう。

Hiraku agentへの転職・キャリア相談の現場でも、担当プロジェクトの終了や中止を機に、フリーランスや自身のスタジオ設立という道を検討する、ベテランクリエイター・ディレクターからの相談が増えているという。自身のスタジオを立ち上げる場合、最初の仕事や出資先の確保が最大の課題になるケースが多く、過去の実績やIPを生かした情報発信・ネットワーキングの重要性をアドバイスすることが多いとのことだ(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。

まとめ:AI活用とクリエイターのキャリアの行方

AIとゲーム制作の関係、そしてクリエイターのキャリアの選択肢は、今後も業界全体で議論が続くテーマになりそうだ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ゲーム業界のキャリア・転職・業界動向を発信するHiraku GameTimes編集部です。

コメント

コメントする

目次