『グランド・セフト・オートVI』(GTA6)の発売を2026年11月19日に控えるRockstar Gamesで、開発者の解雇をめぐる法廷闘争が大きな節目を迎えている。2026年9月10日、英国の雇用審判で最終審理が始まった。審理は5週間続く予定で2026年10月16日頃まで続く見込みだ。
解雇の発端とIWGBの主張
発端は2025年11月にさかのぼる。Rockstarは英国・カナダの従業員34人を、Discordの非公開チャンネルでの機密情報共有を理由に「重大な不品行」として解雇した。このうち英国の労働組合IWGB(独立労働者組合)の組合員であり、残る3人はカナダの組合活動家だったことから、IWGBは「英国ゲーム業界史上、最も容赦のない組合つぶしだ」と強く非難し、Rockstarを相手取った法廷闘争に踏み切った。
会社側とIWGB、双方の主張
Rockstar側(親会社Take-Twoの広報Alan Lewis氏)の立場は一貫している。「英国・カナダの従業員は、Discordの非公開チャンネルでの機密情報共有という重大な不品行を理由に解雇したのであり、労働組合の会員資格や活動を理由にしたものでは一切ない」というものだ。一方のIWGBは、解雇の理由づけそのものと、解雇に至る手続きの両方が違法であり、対象者は基本的な手続き上の保護すら与えられなかったと主張している。解雇された元従業員の一人、Jason Lewis氏は「労働条件について同僚と話し合うことが、自分たちの人生を一変させることになるとは思わなかった」と振り返り、「ようやく正義が手の届くところまで来たように感じる」と述べている。
最終審理に至るまでの経緯
この係争は、2026年6月17日の段階ですでに一つの山を越えている。雇用仲裁廷が、Rockstar側が提出した「訴訟範囲を狭めるための異議申し立て」を却下し、組合側が提起した組合つぶしに関するすべての主張が最終審理に進むことを認めたのだ。IWGBはこれを「Rockstarが責任回避を図ろうとした重大な挫折」と評価している。そして迎えた9月10日からの最終審理は、英グラスゴーのGlasgow Tribunal Centreで平日午前10時〜午後4時の日程で進行されており(9/28の祝日を除く)、両者の主張が正式に法廷で争われる段階であり、まだ結論は出ていない。
まだ結論は出ていない
重要なのは、この記事の時点でどちらの主張が正しいと確定した事実はないということだ。会社側は「機密情報の共有という明確な理由による解雇」だとし、組合側は「労働組合活動への報復」だとする。二つの主張は真っ向から対立しており、最終審理の結果を待つ必要がある。GTA6という業界最大級のタイトルの発売を控えたタイミングで、この係争の行方は、開発現場における労働組合の位置づけそのものに一つの先例を作る可能性がある。
日本の求職者にとっての意味
海外スタジオでの労使紛争のニュースは、日本の求職者にとって直接の転職判断材料になることは少ないという(Hiraku agentへの相談の現場感覚に基づく仮データであり、実データでの再確認が必要)。むしろ、配属先の具体的な開発体制やクランチ(長時間労働)の有無といった、より直接的な質問の方が実際には多いようだ。とはいえ、こうした係争が示すのは、開発者が労働条件について声を上げること自体が、時にキャリア上のリスクと隣り合わせになり得るという、業界全体が向き合うべき構造的な課題でもある。今後の審理の進展を、継続的に注視していきたい。

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