「ゲーム開発の現場で、生成AIはどれくらい使われているのか」。この問いに、業界団体自身のデータで答える調査結果が、東京ゲームショウ2026(TGS2026)の会場で公表された。
CESA調査が示す85.8%という数字
CESA(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)が2026年9月17日に明らかにしたプレビュー版レポートによれば、ゲーム開発者のうち「生成AIを日常的に利用している」と回答した人は63.0%にのぼる。「時々利用」(22.8%)という回答まで合わせると、実に85.8%が業務の中で何らかの形で生成AIに触れているという。この数字は、2025年の同調査における利用率51%から、わずか1年、34.8ポイントも上昇した計算になる。日本経済新聞をはじめ複数の媒体がこの数値を報じており、確度の高い情報だ。
慎重な運用を前提にした浸透
この数字だけを見ると、生成AIはすでにゲーム開発の「当たり前の道具」になったように思える。しかし、CESAが同時に示しているのは、手放しの浸透ではなく、慎重な運用を前提にした浸透だという点だ。課題として挙げられているのは、著作権をはじめとする権利上の問題、そして「人による確認・修正・監修」が運用上ほぼ必須になっているという実情である。CESAの常務理事も「権利保護とのバランスをはかり、人を中心としたゲームづくりの質をいかに高めていくか」を今後の課題として挙げている。
人の役割はむしろ重みを増している
つまり、このデータから読み取れるのは「AIが人の仕事を置き換えた」という単純な図式ではなく、「AIを使うこと」自体が前提になりつつある一方で、「AIの出力をどう扱うか」を判断する人の役割は、むしろ重みを増しているという構図だ。ツールとしての生成AIが当たり前になるほど、それを使いこなし、責任を持って仕上げまで導ける人材の価値は相対的に上がっていくとも言える。
採用現場での実際の扱われ方
こうした業界全体の数字と、実際の採用現場での扱われ方は、必ずしも一致するとは限らない。Hiraku agentへの転職相談の現場感覚によれば、生成AIツールの活用経験を面接で尋ねられる場面は以前より増えているものの、「使ったことがない」こと自体がその場で即座にマイナス評価につながるケースはまだ多くないという(この点は現時点でHiraku担当者の仮の回答に基づくものであり、実データでの再確認が必要)。むしろ重視されているのは、実際に使ってみてどう感じたか、どこに向いていてどこに向いていないと考えているかを、自分の言葉で説明できるかどうかのようだ。
まとめ:問われるのは「どう向き合っているか」
85.8%という数字は、生成AIがゲーム開発の日常に組み込まれつつあることを示す一方で、その扱い方——権利処理への配慮、人による最終確認の姿勢——こそが、これからの現場で問われる部分であることも示している。求職者・在籍者いずれにとっても、「使ったことがあるか」だけでなく、「どう向き合っているか」を自分なりに言語化しておくことが、今後の転職活動やキャリア形成において意味を持ちそうだ。

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